建設業・経理の力で利益を増大させる方法 Part2




 利益を増大させるためには、工事が完成していなくても、利益が把握できるような会計処理が必要となります。その具体的方法をお伝えいたします。


1.工事ごとの会計処理の実施

まずは、会計処理方法の改善です。
皆さんの会社では、工事ごとの経理処理をしていますでしょうか?

工事ごとに工事番号を取得し、1つの工事を1つの会社とみなして、売上と経費を工事番号に紐づけします。このことで、工事ごとの粗利益を見える化することができます。

もし伝票入力を税理士事務所へ依頼している場合は、経理の内製化から取り組みます。
※当事務所では、0から決算書が作れるようになるまで経理指導をしています。

これで、黒字と赤字の現場がはっきりします。経理処理後の数字であり、リアルの損益です。

ただ1点注意があります。
この数字は、あくまでも粗利益であり、売上のだいたい20%は販売管理費(本社経費や、役員・営業・事務員等の人件費)になりますので、この段階での利益が20%程度ないと、赤字工事ということになります。
※販売管理費率(販管費率)は、会社ごとに異なります。
決算書の「販売管理費計」÷「売上(完成工事高)」で、販管費率を算出できます。




2.工事ごとの一覧表の作成

簡単に言うと、竣工した現場では、実際の粗利益を、工事中の現場では、実行予算上の粗利益を入れた一覧表を作成します。
※正確には、毎月工事ごとに既に支払った費用、今後支払う費用を確認し、利益見込みを出します。
したがって、工事中の現場の粗利益は毎月変動します。


毎月原価と利益の推進状況を確認していきますので、それを基にした経営のかじ取りが可能となります。

また、毎月工事ごとに原価の推進状況を確認していきますので、工事部員に少し負荷がかかりますが、上司は、より細かいところまで目が行き届く原価管理が可能となります。

この経営改善は、体制の再構築が必要となるなど、大掛かりな取り組みとなりますが、利益向上を求めるのであれば、必要な作業となります。



覚悟が必要かもしれませんが、上記を参考にしていただき、ぜひ取組んでみてください。
自社での取り組みに行き詰ってしまった場合は、当事務所でのサポートも可能です。ご質問、ご相談等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

(参考)工事推進状況表