信用金庫が決算書を見るポイント

 


 信用金庫の元融資担当が、信用金庫が決算書を見るポイントをご紹介いたします。
信用金庫で初めて融資を受ける際は、過去3期分の決算書提出が求められます。
その際に確認するポイントが以下のとおりです。



貸借対照表
①不良資産がないか?
例:代表者への貸付金
代表者への貸付金は不良資産とみなし、自己資本から除きます。



損益計算書
②法定通り減価償却がされているか?
赤字を回避するために、減価償却費を計上していないケースが見受けられます。



ちなみに、信用金庫は、返済財源があることを重視します。

手形貸付(短期貸付)は売上等の入金
証書貸付(長期貸付)は利益+減価償却費

を返済財源として見ています。


なぜ利益に減価償却費を含めるのかというと、減価償却費は、過去に買ったものにかかる費用であり、お金が出ていかないからです。


例えば、利益800万円、減価償却200万円の会社に3000万円を5年間、証書貸付する場合

(利益800万円+減価償却費200万円)×5年間=5000万円>3000万円

となるので、償還が可能だと考えます。


代表者への貸し付けや、減価償却費の不計上は、決算書を汚してしまいますし、信用金庫側で補正されてしまいます。
また、最近は、コンピュータで管理しており、過去との整合性などもチェックされています。


状況にもよりますが(簡単な話ではありませんが)、何もいじらない決算書が正解なのかもしれません。