建設業・経理の力で利益を増大させる方法 Part1

皆さん、「建設業はどんぶり勘定」というワードを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
そのイメージは、果たして本当なのでしょうか?
実感として、中小企業の建設業では、どんぶり勘定の会社が多い印象です。そしてそれには理由があります。
理由その1 売上高が大きい
建設工事は、1件当たりの単価が高額です。特に元請の建設会社は単価が高額です。
理由は元請の仕事は施工管理をすることであり、その多くの仕事を外注に出すからです。例えば、1億円の工事を受注したら、うち6000万円は外注に出す、といった形です。
売上30億円の会社というと、どのくらいの社員数をイメージするでしょうか?
恐らく、100人程度(1人あたりの売上高3000万円)をイメージするのではないかと思います。
ただ、建設業では、30人程度の会社でも、売上が30億円を超えることがあります。
会社規模と比較して売上高が過大であり、100円単位、1000円単位、1万円単位の金額への意識が希薄となりがちです。
理由その2 年に1度の決算時に、初めて利益(損失)が分かる
建設業の会計は、工事が完成して、初めて売上と利益が計上されます。これを工事完成基準と言います。言うなれば、実際に工事が完成してみないと、いくら利益(損失)が出るか分からないということです。大きな工事では、工期が1年を超えることも多く、決算期の1年よりも工期の長い工事では、来期以降にならないと、利益(損失)が分からないということです。
一般的な企業では、毎月月次決算を確認しながら経営のかじ取りをしていきますが、建設業ではそれが難しいのです。
ここからが本題です。
先ほど、建設業は一般的な企業とは違い、月次決算を確認しながらの経営のかじ取りは難しいとお話しました。ですが、中堅以上の建設会社では、毎月、売上や利益の進捗状況を確認しながら経営のかじ取りをしています。
そして、それには経理の力が必要です。
話が長くなりそうなので、Part2でその方法に迫っていきます。