埼玉県公共工事入札参加、総合評価方式とは?



 入札参加方式は、大きく分けて「指名競争入札」と「一般競争入札」に分かれます。
「指名競争入札」では、役所が入札参加者を決定します。なので指名されなければ、入札に参加できません。
一方で、「一般競争入札」では条件(格付要件、地域要件、実績要件等があります)さえ合えば誰もが入札に参加できます。


「一般競争入札」は、「一般的な入札方式」と、「総合評価方式」に分かれます。
「一般的な入札方式」は価格のみ
「総合評価方式」は、価格に加えて品質(会社や技術者の実績や能力)を加味して落札者を決定します。


ざっくりとしたイメージとして、


A社の入札額が1億円、B社の入札額が1憶500万円だとしても、B社の品質(評価点)が高ければ、B社が落札者となります。
B社は落札できるだけでなく、500万円多く利益を得ることができる可能性があります。


総合評価方式の種類はいくつかあり、
技術提案型   :技術提案を求め評価
簡易型     :工事成績評定や類似工事の施工実績等過去の実績を評価
評価項目選択型 :選択された評価項目を評価
などがあります。


評価項目は、大きく分けて、企業評価と技術者評価があります。


企業評価項目は、
・過去10年度間の類似工事の施工実績
・過去4年間の県発注工事成績評定の平均点
・過去3年度間の工事表彰実績
・ISO取得の有無
・災害防止活動の実績
など


技術者評価項目は、
・保有する資格
・過去10年度間の類似工事の施工実績
・過去4年間の県発注工事成績評定の平均点
・過去5年度間の工事表彰実績
・継続教育(CPD)への取り組み
などがあります。


ちなみに、評価項目にはランクがあり、配点が変わります。


例えば、工事成績評定の平均点
81点以上            2.0点
79点以上81点未満       1.5点
77点以上79点未満       1.0点
75点以上77点未満       0.5点
75点未満又は実績なし         0点
などです。


・工事成績の平均点を上げること
・表彰を受けること
・ISOを取得すること



などで評価点を上げることができ、より有利な条件での落札が可能となります。



私が在籍していたゼネコンでは、「工事成績の平均点を上げること」「表彰を受けること」を強化し、工事成績が良かった時、表彰を受けた時は会社でも表彰し、朝礼で報奨金を手渡していました。


評価点を上げることで、より有利に、そしてより高い金額で落札できる(より多くの利益を得ることができる)という好循環が生まれます。


埼玉県では、1000万円以上の入札案件の2割程度が総合評価方式です。公共工事入札に参加される方は、是非できることから取組んでいただき、品質(評価点)を上げる努力をしていきましょう。