解雇をするのはものすごく難しい

アメリカと違い、日本での解雇のハードルは非常に高いです。
日本には「解雇権濫用法理」という大きな壁が立ちはだかっています。
労働契約法第16条
解雇は、客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする。
上記より、
・解雇に「客観的合理的な理由」があること
・解雇が「社会通念上相当」であること
の2つの要件を満たさなければ、解雇権濫用として、解雇が無効となります。
「客観的合理的理由」とは、
・能力不足、適格性の欠如
・傷病等による労働力の低下
・義務違反、規律違反
・業績悪化による経営困難
等があります。社会通念上相当とは、理由に対し解雇という処分が厳しすぎないか、他の社員との均衡が図られているかどうかを言います。
更に、訴訟時には解雇を回避する努力をしているかどうかも見られます。
例えば・・・
・適格性の欠如を理由とする場合は、十分な指導をしたか?
十分な指導をしても、改善が見られなかった上での解雇か?
・協調性の欠如を理由とする場合は、配置転換を検討したか?
・規律違反を理由とする場合は、段階を追って懲戒をしたか?
他の懲戒で警告をしても改善がみられなかった上での解雇か?
等が見られます。
日本での解雇のハードルは非常に高いので、まずは「退職勧奨による合意退職」を目指すのが定石です。
解雇は後日訴訟やトラブルに巻き込まれる恐れがあるため、どうしても解雇をする必要が生じた際は、お近くの「社会保険労務士」か「弁護士」に相談することをお勧めします。