「経営事項審査総合評定値」と「入札参加資格格付」の関係についての解説

皆さんの中にも、経営事項審査総合評定値(P点)を上げることに苦心されている方がいらっしゃるかもしれません。ただ、なぜP点をあげる必要があるのでしょうか?
理由が曖昧なまま、P点アップに取り組まれている方が多く見受けられますので、今回は「経営事項審査総合評定値(P点)」と「入札参加資格格付」の関係について解説いたします。
ごく簡単な話なのですが、いざ説明すると話が長くなってしまうので、ご承知おきください。
質問:なぜP点を上げる必要があるのでしょうか?
答え:より上位の格付を取るためです。
例えば埼玉県の土木一式工事では、Ⓐ、A、B、C、Dと5段階あり、格付が上がるほど、より規模が大きい(金額の大きい)工事に入札参加することができます。規模が大きい入札に参加し受注できれば、売上、利益の規模も大きくなります。つまり、公共工事を受注する建設会社にとって、格付UPは企業価値の向上に直結するのです。
その格付けは、2年に1度(隔年9月~11月)行われる、入札参加資格審査申請で決まります。
そして、格付のベースとなるのが、経営事項審査総合評定値(P点)です。
具体的には格付は、経営事項審査総合評定値(P点)+県独自の評価点で決まります。
例えば埼玉県土木一式工事のその合計点(P点+県独自の評価点)ごとの格付は以下のとおりです。
Ⓐ 1110点以上であり、かつ1級相当技術者数が10人以上ある場合
A 850点以上であり、かつ1級相当技術者数が3人以上いる場合
B 710点以上であり、かつ1級相当技術者数が1人以上いる場合
C 620点以上である場合
D 619点以下である場合
県独自の評価点とは、以下のような項目です。
20項目以上あり、一番高い会社は475点です。
・埼玉県発注工事の工事成績
・埼玉県発注工事の工事表彰
・埼玉県SDGsパートナー登録
・埼玉県との防災協定
・埼玉県エコアップ認証取得
・埼玉県多様な働き方実践企業認定制度の認定
・一般事業主行動計画の提出
・埼玉県にかかるボランティア活動
・・・など、20項目以上
話が長くなってしまいましたが・・・
「なぜP点を上げる必要があるのか?」
その答えは、「より上位の格付を目指すため」です。
なので、すでに最上位の格付(Ⓐ)であり、基準点(1110点)を大きく上回っている会社は、経営事項審査総合評定値(P点)を上げても、何も変わりません。対策は不要です。
蛇足ですが、以前私が勤務していた埼玉県格付最上位クラスのゼネコンでは、実力を誇示する(プライドを守る)ために、経営事項審査総合評定値(P点)+県独自の評価点アップに取り組んでいました。
※各社の点数・格付は、埼玉県のホームページで閲覧可能です
ご興味がある方は、以下サイトをご確認ください
埼玉県競争入札参加資格者名簿
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0212/kouji0506/0506meibo/kouji.html