経営事項審査に申請期限はありません

初めて経営事項審査を受けようとする、ある建設業のお客さまが、とある行政書士から、経営事項審査には申請期限があるので、書類を急いで欲しいと言われたそうです。この会社は12月決算の会社ですが、5月末が申請期限だと書類をせかされたそうです。
単純に知識が無いのか、お客様が情報を知らないことを良いことに無駄に急かしているのか分かりませんが、どちらにしても行政書士の信用を汚す行為であり、とても残念に思いました。
経営事項審査には申請期限がありません。その代わりに発行された書類「経営規模等評価結果通知書」には審査基準日(決算日)から1年7か月という有効期間があります。例えば、12月決算の会社であれば、翌々年の7月が有効期間となります。
なぜかというと、経営事項審査は決算数値を反映させたものであり、本来決算ごとに最新の数値であるべきだからです。税務申告期限は、決算から2か月以内であり、2か月以内に決算書が完成します。そこから経営事項審査の申請がスタートしますので、更に5か月間期間を設け、審査基準日(決算日)から1年7か月という有効期間となっています。
したがって、公共工事を受注する場合は、この1年7か月の有効期間が切れる前に、次の経営事項審査を受審する必要があります。
※公共工事の受注は有効な経営事項審査を受けていることが条件のため、有効期間が切れてしまった場合は公共工事を受注できません
文章を書きながら気づいたのですが、とある行政書士は、経営事項審査の有効期間は1年7か月であることから、手続きに2か月かかることを見込んで、5月末が申請期限だと言ったのかもしれません。ある建設業のお客様は初めての経営事項審査であり、かつ民間工事しか受注しない為、本来有効期間は関係ありませんが、とある行政書士は一律に全て決算から5か月以内に申請しなければならないと思い込んでいるのでは?という気がしてきました。
いずれにせよ、プロとして恥ずかしくない仕事をして欲しいと祈る出来事でした。