「平均賃金」と「給付基礎日額」と「基本手当日額」の違い

労働基準法の「平均賃金」とは、労働基準法で定められている手当や補償、減給制裁の制限額を算定する際に基準となる金額です。事由の発生した日以前3か月間に支払われた賃金総額(賞与等は除く)をその期間の歴日数で割った金額です。
「給付基礎日額」は、労災保険給付の基準となる日額で、原則として、労働基準法の「平均賃金」に相当する額を言います。
「基本手当日額」は、ハローワークでの失業等給付の基準となる日額で、離職日直前6か月間に支払われていた賃金の合計(賞与等は除く)を180で割って算出した賃金に、45~80%をかけた金額です。この45~80%は、年齢や賃金日額で変わります。収入が低いほど80%へ、収入が高いほど45%又は50%に近づきます。
以下にどのような時に使われるかを列挙します。
「平均賃金」 (労働基準法関係)
・解雇予告手当
・休業手当
・災害補償
・減給制裁の制限額
「給付基礎日額」 (労災保険給付関係)
・休業(補償)給付
・傷病(補償)年金
・障害(補償)給付
・遺族(補償)給付
「基本手当日額」 (ハローワーク関係)
・基本手当
・傷病手当
・高年齢求職者給付金
・再就職手当
このほかにも、「標準報酬月額」があり、傷病手当金(健康保険)の計算の基準となります。
計算方法がいくつもあることはとても興味深いです。社会的な無駄が指摘されるところですが、規則が複雑ゆえに、公務員や社会保険労務士、税理士等の存在意義も高まることを思うと、私の心も複雑です。