建設業許可がない建設業者が建設工事を請負う際の注意点

全ての建設業者が建設業許可を取得している訳ではありません。なぜなら、消費税込500万円未満の工事であれば、建設業許可は不要だからです。
現に、建設業許可を受けずに小規模工事を請負っている会社もあります。
そこで、今回は、建設業許可を持たない会社が建設工事を請負う際の注意点をご紹介します。
一つは、発注者が材料を支給する場合です。発注者が材料を支給している場合は、材料費を含めて消費税込500万円未満である必要があります。
もう一つは、1つの工事を2以上に分割した場合です。契約が2つに分かれていてもそれは同一の工事とみなされ、その2契約の合計額が消費税込500万円未満である必要があります。
このルールを守っていないことが分かってしまうのは、新規に建設業許可を取得する際です。新規建設業許可申請時に、工事経歴書を添付するのですが、建設業許可をまだ持っていない期間の工事経歴なので、全てが消費税込500万円未満の工事である必要があります。
ここで、役所がチェックするのは、1現場での工事を2つ以上に分けていないかです。もし同じ発注者、同じ場所での工事があれば、1現場の工事を2つ以上に分けていないかの疑いが持たれます。
私が経験したケースで、1現場での工事を2つに分けていることが明らかとなった為、代表取締役が県庁の窓口に呼び出され、口頭で注意を受けた事例がありました。幸いにも口頭注意を受けただけで、新規建設業許可を取得することができました。
消費税込500万円以上の工事を受注してしまった場合は、行政指導の対象になるかもしれませんし、いざ建設業許可を取得しようとした際に支障が生じるかもしれません。
埼玉県では、新規に建設業許可を取得する際は、申請手数料として9万円、その後5年ごとの更新の際に5万円かかります。決して小さな負担ではありませんが、消費税込500万円以上の工事を受注する可能性があるのであれば、法令順守の観点からも、建設業許可の取得をお勧めします。