法定休日を定めないメリット

法律では、原則週1日の休日を定めています。法律で定めている休日の為、これを法定休日と言います。週休2日の会社であれば、1日が法定休日、もう1日は法律で定めていない休日の為、これを法定外休日と言います。
どちらも同じ休日ですが、割増賃金の計算の際は、法定休日と法定外休日を区分する必要があります。割増賃金率が「法定休日」は35%、「法定外休日」は25%と異なっているからです。
ちなみに、土日が休みの会社の場合、どちらが法定休日になるのでしょうか?多くの場合、法定休日は就業規則で定められていますので、就業規則で定めた日が法定休日です。
(規定例)法定休日は日曜日とする
中には、法定休日が定められていない場合もあります。
この場合、日曜日から土曜日を1週間の期間として最後に休んだ日が法定休日になります。したがって、週7日働いた場合は、法定外休日1日(25%割増)+法定外休日1日(35%割増)
週6日働いた場合は、法定外休日(25%割増)のみとなります。
1週間の最後に休んだ日が法定休日になりますので、週に1日休んでいれば、法定休日は発生しません。
この「日曜日から土曜日を1週間の期間として最後に休んだ日が法定休日」になることが、法定休日を定めないメリットです。
例えば、土日休みで法定休日が日曜日の会社があったとします。仮に日曜日にだけ休日出勤した場合、法定外出勤として35%の割増賃金が発生します。
一方で、法定休日を定めていない場合は、土曜日が法定休日になりますので、日曜日の出勤は法定外休日として25%の割増賃金が発生します。
これがどの程度の金額差になるか、日給2万円の人を例に見ていきます。
割増賃金は、法定休日では7000円(2万円×35%)、法定外休日では5000円(2万円×25%)となります。僅か2000円の差になりますが、これが複数回、複数人で発生しますので、頻度や社員数によっては大きな差になることもあります。
ちなみに、法定休日を定めないと、勤怠の集計に手間がかかります。例えば、法定休日を日曜日と定めていれば、日曜日出勤のみが法定休日です。しかし、定めていない場合は、7日全部出勤した場合のみ、法定休日が発生するため、集計作業が煩雑となります。
メリットは、割増賃金を抑えることができること。デメリットは勤怠の集計が煩雑となることです。一長一短ありますが、給与計算業務を受注する立場としては、法定休日が定められていると、とても助かります。