夏季休暇を社員が好きな日に取得できる制度設計(残業単価を減らせるメリットあり)

労働力不足、採用難の中、社員が望ましく感じる制度設計が必要です。
例えば、夏季休暇を自由に選べることができれば、それは社員のメリットであり、職場の魅力につながります。
金融機関など、お盆休みがない会社では、夏季休暇を自分の好きな日にとれる制度が定着していますが、この制度は、一般の会社で導入しても2つのメリットがあります。
1つは、社員が自由に休む日を選べるため、職場の魅力につながります。
1つは、残業代の単価を減らすことができます。
なぜ残業代の単価を減らすことができるのでしょうか?
それは、「休日」と「休暇」の違いがあるからです。
「休日」 労働義務がない日
「休暇」 労働義務があるが、それを免除された日
社員が好きな日に取得できる夏季休暇は、「休暇」にあたります。
一方で、会社があらかじめ休む日を定めた夏季休暇は、原則「休日」となります。
「休日」と「休暇」の判断が少し難しいですが、イメージとして、「休日」は会社カレンダーで休みと定められている日、「休暇」は会社カレンダーで定められてはいませんが、休める日です。
※「休暇」としては、有給休暇、育児休暇、介護休暇が代表例
そして、残業代の計算は、365日から「休日」を引いた日数が基礎となります。
年間休日が115日の会社であれば、250日
年間休日が110日、夏季休暇が5日の会社であれば、255日となります。
250で割ったよりも、255で割ったほうが、分母が大きい分残業単価が低くなるため、残業単価を抑えることができるのです。
したがって、社員が好きな日に取得できる夏季休暇は、私が好きな言葉である「一石二鳥」の取組です。
なお、年間休日を減らすことは、就業規則の不利益変更となるため、変更するためには一定の手順が必要です。当事務所では、就業規則の変更、運用のアドバイスをしております。ご不明点等ありましたら、お気軽に当事務所までご連絡ください。