ライバル会社の経営事項審査(経営規模等評価結果通知書)を見るポイント 1

経営事項審査の結果は、誰もがインターネット上で閲覧することができます。
経営事項審査結果の公表ページに飛びます
上記サイトにアクセスしていただき、ライバル会社名を入力すれば、ライバル会社の経営事項審査結果を無料で閲覧できます。
今回は、ライバル会社の経営事項審査結果を見るポイントをご紹介します。
ライバル会社の戦闘力の確認
1.完成工事高・元請完成工事高・技術職員数 左側中央部に記載
工種ごとに、いくら工事を竣工したのか(3年平均)、そのうち元請工事はいくらか(3年平均)、そして技術者の人数とその内訳(1級・2級・その他)が分かります。
ここで、ライバル社の戦闘力を確認することができます。
ライバル会社の利益獲得力の確認
2.売上総利益・経常利益 左側下部に記載
直近決算でどの程度利益を残せたかが分かります。
売上総利益は、総売上高から売上原価を引いた数字で、一般的に粗利と呼ばれています。そこから更に販売管理費と支払利息を引き、受取利息を加えたものが経常利益です。
したがって、売上総利益よりも、経常利益を見たほうが、より利益獲得力を反映してします。
たまに売上総利益が過剰で、経常利益が過少の会社がありますが、正確な会計処理をしていないと、売上総利益が過剰になります。
技術者の人件費を売上原価に計上せず、販売管理費に計上していることが主な要因です。ライバル会社が適切に会計処理をしているかどうかは判断できない為、結論から言えば、売上総利益は参考程度で、経常利益を重視します。
ライバル会社の守備力の確認
3.自己資本・自己資本比率 左側下部に記載
会社の純粋な資産がいくらあるか、他人のお金(借入金・未払金等)と会社の純粋な資産の割合がどの程度かが分かります。
自己資本は会社の解散価値に類似する数値であり、この数値がマイナスの場合、債務超過であることを意味します。債務超過になると、銀行借り入れが厳しくなり、経営が苦しいことが推測されます。
債務超過であっても、銀行借り入れではなく経営者やその親族等から借り入れている場合は、赤字が継続していても比較的経営に余裕があり、事業継続に支障が無い場合もあります。
自己資本比率は、会社全体の資産に対する、会社の純粋な資産の割合であり、高ければ高いほど望ましいです。会社の純粋な資産が20、他人のお金が80であれば、会社全体の資産は100となります。そのうち会社の純粋な資産が20なので、自己資本比率は20%となります。(20÷100=20%)
自己資本が10%だと不安を感じます。30%程度あれば安心です。50%を超えていれば安泰です。
以上、ライバル会社の経営事項審査結果を見るポイントを3つ紹介しました。
「ライバル会社の経営事項審査(経営規模等評価結果通知書)を見るポイント 2」で、さらに3つのポイントをご紹介します。