ライバル会社の経営事項審査(経営規模等評価結果通知書)を見るポイント 3

前回、前々回に引き続き、ライバル会社の経営事項審査結果を見るポイントをご紹介します。
ライバル会社の社歴の確認
7.営業年数
建設業許可を取得してからの営業年数です。中小企業の同族会社で、50年、70年と続く会社であれば、2代目、3代目社長であることが推測されます。また、業種にもよりますが、社歴が長いほど世間に認知されており、紹介も受けやすい環境であることが推測されます。
ライバル会社の技術者の質の向上への取組の確認
8.CPD単位取得数
CPD(Continuing Professional Development)とは、技術者の継続教育制度のことです。
(公財)建築技術教育普及センター、(一財)建設業振興基金など、特定の団体が開催する講習会を受講することで、CPD単位が付与されます。技術者は現場が忙しくて大変なのですが、その合間を縫って、講習会を受講し、知識やスキルの向上に努めています。
ライバル会社で若手が働いているかの確認
9.若年技術職員の継続的な育成及び確保・新規若年技術職員の育成及び確保
35歳未満の技術職員が一定数在籍しているかが分かります。
「若年技術職員の継続的な育成及び確保」では、35歳未満の技術者が全技術者の15%以上を占めているか、「新規若年技術職員の育成及び確保」では、直近の決算期間で、35歳未満の技術者を新規採用し、かつその割合が全技術者の1%以上を占めているかが分かります。
継続的な新卒採用を行っている中堅以上の会社では、比較的達成しやすい項目ですが、中小企業では、新卒採用どころか、若年層の採用も困難を極めているのが現状です。
ライバル会社のその他の取組の確認
10.エコアクション21の認証の有無、ISO9001の登録の有無、ISO14001の登録の有無
品質向上(ISO9001)や環境(エコアクション21・ISO14001)に対する取り組みの有無が分かります。ただし、会社が積極的に取り組んでいるとは限りません。特に中小企業では、負担が無駄に増加するというデメリットがあり、取り組みたくなく、必要性を感じていなくても、経営事項審査や総合評価方式の入札で加点となるため、仕方なく取り組んでいる場合があります。その場合、簡単に登録してくれるISO認証機関に依頼し、ISO専門のコンサルタントをつけることで、費用はある程度かかりますが、最低限の取組をしています。
以上、ライバル会社の経営事項審査結果を見るポイントを4つ、合計で10紹介させていただきました。
ライバル会社の経営事項審査結果を見るのは単純に楽しいですし、参考にもなります。皆さんも、機会があれば、ライバル会社の経営事項審査結果を確認してみてください。