1人80万円・キャリアアップ助成金申請のポイント

助成金には、様々な種類がありますが、今回は、比較的条件が容易で、金額が多い、キャリアアップ助成金(正社員化コース)申請のポイントをご説明いたします。
これは、有期契約社員等、非正規社員を正社員にする際にもらえる助成金です。
要件は3つあります。
1.就業規則等に、正社員に転換する制度を規定していること
2.正社員転換前の賃金より3%以上賃金を増加させること
3.キャリアアップ計画書を提出すること
では、順番に説明していきます。
1.就業規則等に、正社員に転換する制度を規定していること
就業規則に、以下条文を参考にして、正社員転換規定を追加してください。
(正社員への転換)
第〇〇条 勤続6か月以上勤務した有期契約社員のうち、本人が希望する場合は、正社員に転換することがある。転換時期は随意とする。
2 転換を行うには、役員又はそれに準ずる者の面接試験に合格する必要がある。
有期契約社員の箇所は、その会社で使用している名称に変更してください。
条文の挿入箇所は、不自然でない箇所に追加してください。
例えば、
第10条 労働条件の明示
第11条 人事異動
第12条 正社員への転換
第13条 業務引継ぎ、着任
といった形です。
2.正社員転換前の賃金より3%以上賃金を増加させること
正社員転換前と比較し、3%以上賃金を上げる必要があります。
ここでいう賃金とは、「基本給+諸手当」であり、実費弁償であるもの、残業手当など変動的なもの、賞与等は含まれません。
3.キャリアアップ計画書を提出すること
以下を参考に作成してください。
対象者欄:雇用して6か月以上の有期契約社員
目標欄 :対象者に対して、正社員への転換をはかる
目的を達成するために講じる措置欄
:正社員へ転換するための面接試験を実施
キャリアアップ計画全体の流れ欄
:転換制度を周知し、希望する有期契約社員を募集し、面接試験の評価により、正社員への転換を判断する
次に、注意点を説明します。

1.賞与又は退職金制度 + 昇給 のある正社員への転換が必要です。
2.正社員以外の就業規則等、例えば、有期契約社員就業規則等が必要です。
3.就業規則と、正社員以外の就業規則等では、処遇が異なることが必要です。
例えば、就業規則には役職手当があるが、正社員以外の就業規則等では役職手当がない等です。
4.正社員への転換後、6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請が必要です。
特に4は、期日を1日でも過ぎてしまうと申請ができません。なので、期日管理にご注意ください。
パンフレット・Q&Aは、こちらからご確認ください。
詳細な決まりがあるので、くれぐれも漏れや不備が無いようにご注意ください。